
「彼氏を愛しているのに、セックスが気持ち悪い……」そんな性嫌悪やセックスレスの悩みに一人で苦しんでいませんか?実は、その拒絶感の裏には自分でも気づかない「過去のトラウマ」が隠れていることがあります。本記事では、幼少期の性被害による嫌悪感をカウンセリングで克服し、パートナーとの絆を取り戻した女性の体験談をご紹介します。体験談の掲載許可をいただいています。
セックスするのが気持ち悪かった

私は性に対する気持ち悪さ、嫌悪感が強くありました。
セックスするのが気持ち悪かったのです。
セックスをする前にモヤモヤしてきて気持ちが乗らなくなるのです。
セックスしている最中はそうでもないのですが、終わった後に気持ち悪くなっていました。
その結果、2年間交際している彼氏との間でセックスレスになっていました。
2カ月前に、彼氏から
「これ以上セックスレスが続くようなら別れよう」
「僕は結婚したら子供が欲しいから、結婚前にセックスが一切ない状態なら子供はできないだろうから」
と言われました。
私は自分が悪いし、彼氏がそう思うのも分かる、と思いました。
しかし、私は彼氏と一緒にいたいし、彼氏と結婚して子供も欲しいと思っているので、このセックスに対する嫌悪感を本気で治したいと思ったのです。
心理カウンセリングを受けることにした

私はネットでいろいろな情報を調べ始めました。
私自身はセックスに対して嫌悪しているのか、それともそもそも性欲がないのか、そのあたりから調べていきました。
その結果、心理カウンセリングを受けるか、あるいは精神科を受診するかのどちらかがよいと分かりました。
また看護師の友達に相談すると、心理カウンセリングを受けた方がよいとアドバイスされました。
それから心理カウンセリングを受けれるところを探して、熊本カウンセリングにたどり着きました。
熊本カウンセリングは自宅から通えるところにあったし、夜も営業されていて仕事帰りに行けるので選びました。
セックスに対する嫌悪感の原因は性被害のトラウマ

熊本カウンセリングで心理カウンセリングを受けると、私のセックスに対する嫌悪感の原因は、小学生の頃の兄からの性被害のトラウマにあると言われました。私もそれはあるなと思いました。
実は私は、兄からセックスに近いことを無理やりされることがありました。
性器を舐められたり、こすりつけられたりしていました。
この兄からの性被害は大人になってもずっと思い出していました。
毎日、風呂から上がるときに思い出していて、思い出すたびに気持ち悪さを感じていました。
セックスできるようになった!

熊本カウンセリングでトラウマを解消する心理療法を受けると、兄から受けた性被害を思い出す頻度が少なくなってきました。毎日だったのが週3回ぐらいになりました。
また思い出しても、気持ち悪さを感じなくなりました。
熊本カウンセリングに来る前の、セックスに対する気持ち悪さは10点満点で10点以上ありました。
カウンセリングを5回受けた後に「彼氏とセックスをしてみる」という宿題が出されて、思い切ってしてみたところ3点に下がっていました。効果が出ているなと思いました。
これなら彼氏からセックスを誘われて応じることも、自分から誘うこともできるなと思えて、嬉しくなりました。
彼氏も喜んでいました。
これなら彼氏との交際は続けられそうです。
良かったです。
性嫌悪で悩んでいる人にアドバイス
私は彼氏と交際を始めてから、セックスに対する嫌悪感を治したいと2年ぐらいはずっと悩んできたと思います。
2年も悩んでいましたが、何も変わりませんでした。
今思えば時間の無駄でした。
ダメもとでいいから、どこかに行って治療してもらえばよかったと思います。
私みたいにずっと長い間悩んでいる人がいたら、「行動を起こした方がいいよ」と言ってあげたいです。思ったよりうまくいくと思います。
(20代女性 M.Kさん)
心理カウンセラーからコメント

M.Kさんの体験談を拝見し、とても大切なお話を勇気をもって共有してくださったことに、まず心から敬意を表します。
幼少期の性被害という深いトラウマは、性に関する嫌悪感や恐怖心を感じるようになり、それは個人の努力や意志だけではどうにもならないほど強力に心と体に影響を及ぼすことがあります。
Finkelhor(1985)の理論によれば、性被害による「性的不当化」は性の意味を歪め、深い嫌悪感を生じさせます。
またBriere(1994)の研究も、成人後の性嫌悪が過去のトラウマに起因する統計的事実を裏付けています。
M.Kさんが性に関する嫌悪感や恐怖心を感じるようになったのは自然な反応だったと言えます。「自分が悪い」とご自身を責めないでいただきたいと思います。
パートナーとの関係性においても、「セックスレスが続くなら別れよう」という現実的な危機を迎えながらも、M.Kさんは諦めずに「一緒にいたい」という気持ちを大切にされました。
その思いが行動へとつながり、結果として彼氏との関係が続き、未来への希望(結婚や子どもを持つ可能性)が見えてきたことは、心理療法の成果と同時に、M.Kさん自身の強さの証です。
人はどんなにつらい過去を抱えていても、それを乗り越える力を内に秘めています。その力を引き出せたのは、まさにM.Kさんが「治したい」「変わりたい」と本気で思い、行動を起こしたからこそです。
性に関する悩みはとてもデリケートで、人に打ち明けにくいものです。多くの方が「私だけがおかしいのではないか」「恥ずかしいことだから隠さなければ」と思い込み、一人で抱え込んでしまいます。
しかし実際には、M.Kさんのようにトラウマや過去の出来事が原因で性的な嫌悪や困難を抱えている方は少なくありません。
大切なのは、その苦しみを「自分の弱さ」ではなく「心の傷」として捉え、適切なサポートを受けることです。M.Kさんが「2年も悩んでいたけれど、行動を起こせば変わる」と伝えてくださったことは、同じように苦しんでいる方への大きな励ましになるでしょう。M.Kさんが示してくださった「嫌悪感が減り、パートナーと新しい関係を築けるようになる」という変化は、多くの方に希望を与える事例です。
参考・出典URL
Finkelhor, D., & Browne, A. (1985). "The traumatic impact of child sexual abuse: A conceptual framework."
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/j.1939-0025.1985.tb02703.x
Briere, J., & Elliott, D. M. (1994). "Immediate and long-term impacts of child sexual abuse."
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/7804770/
この記事を書いた人
- 公認心理師。2007年に心理カウンセラー・心理セラピストとして独立し、熊本市に「熊本カウンセリング」を開設しました。以来17年以上にわたり、心理カウンセリングの実践に携わり、これまでに7,000件を超える相談実績を積み重ねてきました。2019年には拠点を熊本県八代郡氷川町に移し、地域に根ざした活動を展開しています。







