腹鳴恐怖症で静かな場所に行けなくなっていたけれど

腹鳴恐怖症を克服されたクライアント様の心理カウンセリング体験談を紹介します。
6回のセッションの中で自分を責める癖を手放し、腹鳴恐怖症は解消されました。お腹の調子に振り回されなくなりました。
掲載の許可をいただいています。

腹鳴恐怖症になったきっかけ

腹鳴を気にする女子高校生

高校1年生の数学の授業中に、お腹がポコポコとし始めて、グーッと鳴ってしまいました。1回だけならまだごまかせますが、何回も鳴ってしまいました。
とても恥ずかしくて「もうここに居られない」と思いました。

それがきっかけで腹鳴恐怖症になりました。
その後は試験会場、学校行事、集会など静かな場所に入るだけで手に汗をかいたり、動悸がしたりしていました。恐くて仕方がなかったです。

その結果、学校に行けなくなりました。

電車にも乗れなくなりました。
電車が駅について、ドアが開いたままシーンとしている、その数分が恐くて耐えられないのです。

就職後は会社の飲み会にも行けませんでした。
飲み会の会場が個室だったら必ずシーンと静かになる場面があります。それが恐いのです。

そんな状態が高校1年生のときから約20年間続いていました。

ずっと自分を責めていた

悪口を言う小学生男子

ある日、熊本カウンセリングに行く前の夜に夢を見ました。
夢の中で小学校低学年のときに同級生だった女の子が出てきました。

朝になり、目が覚めて、久しぶりにその女の子のことを思い出しました。

その女の子はクラスの男子から悪口を言われていました。
当時の私は、その子を助けませんでした。何もしませんでした。
「どうして助けなかったのか」と私はずっと自分を責めていたことに気づきました。

その日、カウンセリングの中で、その女の子に関するトラウマを解消するセラピーをしてもらったのですが、それ以来私は自分を責める癖がなくなりました。
自分を責める癖の根っこがそこにあったのかと驚きました。

不登校の子どもが学校に行くようになった

街を歩く母親と娘

これまで私はことあるごとに「自分が悪い」と考えてきました。
子どもが不登校になったのも「自分の子育てが悪かった」と思っていました。

だから子供に「ごめんね」という感じで接してきました。
けれど今は、「私が悪いからではない、あなたを助けるためにやっている」と思って子どもと向き合っています。
そうすると子どもは私に安心して話すようになったと思います。

また腹鳴恐怖なので、子どもを連れていても、恐くなる場所は避けてきました。そういう姿を子供に見せてきました。

けれど、今は怖さがなくなって堂々と行けています。
それも子どもとの関係に良い影響を与えているかなと思います。

結果として不登校の子どもが学校に行くようになりました。
子どもは一生このまま不登校と思っていましたが。

私が熊本カウンセリングに来る前と後では全然違っています。
腹鳴恐怖症を解消するセラピーをしてから変化が起きました。
私が変わってきたから子供も変わってきたのかなと思います。

まだ他人からどう見られているかを気にする自分がいます。
言いたいことが言えなかったりもします。
けれど、今は細かいことは気にしなくなりました。
「私はこうじゃん」と思えるようになりました。

お腹の調子に振り回されなくなった

今もおなかの調子が悪くなることはあるのですが、それに振り回されることはなくなりました。
外出したら常にトイレの場所を確認していました。それも今はなくなりました。

腹鳴恐怖症で悩んでいる人へアドバイス

私と同じように腹鳴恐怖症で苦しんでいる人には早くカウンセリングを受けてくださいと言ってあげたいです。

実は私はカウンセリングには否定的でした。
私が子供の頃に行っていた心療内科のイメージを思い浮かべていたからです。つっけんどんな医師と少し話をして薬をもらう。そんなイメージでした。正直なところ、カウンセリングはただ話をするだけで、何も良くならないと思っていました。

しかし、熊本カウンセリングでは心理セラピーを初めて受けて、本当に良くなったので他の人にも受けてほしいなと思います。

(30代女性 M.Nさん)

心理カウンセラーからコメント

心理カウンセラー

腹鳴恐怖症は「自分の体の反応を他人にどう見られるか」という強い不安から始まる症状です。静かな場所でお腹が鳴るのではないかと予期不安を抱き、心臓のドキドキや手の汗といった自律神経の反応が強まることで、さらに恐怖が強化されていきます。

こうした悪循環が続くと、学校や職場といった日常生活に大きな制限がかかり、回避行動が広がってしまうのです。体験談にあるように「電車に乗れない」「会社の飲み会に行けない」といった困難は、この悪循環の典型的な表れです。

「私はこうじゃん」と思えるようになったことは、自己受容の深まりを示しています。これは、恐怖症を抱えている方にとって非常に大切な変化です。人目を気にし過ぎる状態から、「自分らしく存在して良い」という感覚に移行したからこそ、不安の根っこが弱まり、生活全体に安心感が広がったのだと思います。

この記事を書いた人

心理カウンセラー 田中耕一郎
公認心理師。2007年に心理カウンセラー・心理セラピストとして独立し、熊本市に「熊本カウンセリング」を開設しました。以来17年以上にわたり、心理カウンセリングの実践に携わり、これまでに7,000件を超える相談実績を積み重ねてきました。2019年には拠点を熊本県八代郡氷川町に移し、地域に根ざした活動を展開しています。

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