
職場で暴力などのパワハラを受けたクライアント様の心理カウンセリング体験談をご紹介します。パワハラのトラウマが毎日思い出されて仕事ができなくなっておられましたが、心理療法を受けて今では仕事を再開されるまで回復されました。掲載の許可をいただいています。
職場のパワハラを10年間受け続けてきた

熊本カウンセリングに来る前はうつ状態になっていました。
心が暗闇に閉ざされているような感じでした。
私は調理師なのですが、以前の職場で殴られたり蹴られたりしていました。パワハラです。
職場のパワハラは10年ぐらいずっと続いていました。
そのパワハラの日々を毎日思い出していました。
そして「自分が悪いんだ、悪いんだ・・・」と考えていました。
体調は悪く、だれきっていました。
毎日座って考え込んでばかりで、人と会いたくありませんでした。電話にも出たくありませんでした。
心理療法でパワハラのトラウマが消えた

そんな私のことを心配した両親がネット検索で熊本カウンセリングを見つけてくれました。
熊本カウンセリングでいろいろな心理療法を受けましたが、眼を動かすセラピーやタッピングのセラピーがとても印象的でした。
心理セラピーを受けると、私としては仏壇に手を合わせているような落ち着いた気持ちになってきました。
以前は職場のパワハラ場面を毎日思い出していましたが、今はほとんど思い出さなくなりましたし、それほど嫌な感じもしなくなりました。
以前は疲れきっていて仕事がほとんどできませんでしたが、今では実家の家業を1日8時間ぐらいしています。
職場のパワハラで苦しんでいる人にアドバイス
私は今回の体験で、「一人で頑張っていても何も始まらない。誰かの力を借りないといけない」ということを学びました。
私と同じように職場のパワハラを受けて苦しんでいる人には、「一人で考えすぎないで、誰かに相談するといいよ」とアドバイスしたいです。
(30代男性 T.Rさん)
T.Rさんのご両親からもご感想をいただきましたのでご紹介します。
息子の気持ちを否定して言い合いになることもあった
息子は熊本カウンセリングに来る前は毎日イライラしていたようです。
部屋の壁を殴ることもあったようでドンドンと音が聞こえていました。
穴も開いています。
息子のストレスが溜まっているのが分かったので、ときどきサイクリングに連れ出したりしながら1年間様子を見ていましたが、改善せずひどくなる一方でした。
息子は専門学校の頃は友達も多くて明るくしていたので、職場を辞めれば解決することだろうと思っていました。
しかし、そうはならなかったので心配しました。
息子がいろいろな苦しみを一人で抱え込んでいたことを知りませんでした。
親子で話していても、「そういう考え方はやめなさい」「もっと前向きに考えればいいだろう」のようなアドバイスをして、結局息子の気持ちを否定して言い合いになることもありました。
それが熊本カウンセリングに来てからは、息子が変わってきたので私たち夫婦も楽になってきました。
ずいぶん調子を取り戻してきたと思います。
今では、息子は午前中に一人で料理の仕込みをしてくれていますので助かっています。
お客さんとの電話応対もしてくれています。
田中先生に出会えて何よりでした。
ありがとうございました。
心理カウンセラーからコメント

T.Rさん、そしてご両親のお話を拝見し、長年にわたり職場でのパワハラに苦しまれてきたこと、その重みと深さに胸が締め付けられる思いがしました。
10年という長い年月、日常的に暴力や心ない言葉にさらされ続けることは、心と体に計り知れない傷を残します。
そこで生まれた「自分が悪いんだ」という自己否定の思いは、被害を受け続けた方に特有のものです。ご自身のせいではないにもかかわらず、責任を背負い込んでしまう――それこそがトラウマの大きな影響のひとつです。
心理療法を受けられて、少しずつトラウマの記憶が和らぎ、日常を取り戻せるようになったご様子を伺い、本当にうれしく思います。心理療法は脳に刻まれた強い記憶を少しずつ整理し、過去の体験を「現在に影響しすぎない形」に変えていく助けになります。
まるで仏壇に手を合わせたときのように心が落ち着いてきた、という表現はとても象徴的で、T.Rさんが心の中で「安全な場」を取り戻せた証だと感じます。
以前は職場での出来事を毎日のように思い出し、そのたびに強い感情や体調不良に苦しめられていたのに、今ではその頻度も減り、心が過去に支配されなくなってきた。さらに、実家の家業を一日8時間こなせるほどに回復されたことは、ご自身の力と粘り強さの成果です。
トラウマからの回復において重要なのは、「一人で抱え込まないこと」です。T.Rさんが語ってくださった「一人で頑張っていても何も始まらない。誰かの力を借りないといけない」という言葉は、多くの方に届くメッセージです。
トラウマは心の弱さのせいではなく、あまりにも強いストレス体験を心が処理しきれなかった自然な反応です。そのため、専門的なサポートを得ながら少しずつ「安全」を感じ直し、「過去と現在を切り離す」練習をしていくことが、回復の道を開きます。
今回の体験談は、同じように職場でのパワハラや暴力に苦しんでいる方にとって、大きな勇気となるでしょう。「相談していいんだ」「自分も回復できるかもしれない」と思えることが、第一歩になります。心の中の傷は、確かに深いですが、適切な方法を用いることで必ず癒しに向かう力が誰の中にも備わっています。
どうかこれからも、ご自身の歩みを大切にしながら、一歩ずつ前に進んでいかれることを願っています。そして同じように苦しんでいる方々が、この体験から希望を見出せますように。
この記事を書いた人
- 公認心理師。2007年に心理カウンセラー・心理セラピストとして独立し、熊本市に「熊本カウンセリング」を開設しました。以来17年以上にわたり、心理カウンセリングの実践に携わり、これまでに7,000件を超える相談実績を積み重ねてきました。2019年には拠点を熊本県八代郡氷川町に移し、地域に根ざした活動を展開しています。
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