適応障害で休職して、部屋に閉じこもっていたけれど

職場の人間関係が原因で適応障害と診断され、休職して家の中に閉じこもっていたクライアント様の心理カウンセリング体験談を紹介します。今では積極的に毎日外出し、さらに職場の上司と異動交渉も始められました。
掲載の許可をいただいています。


30代女性 M.I.さん

適応障害と診断されて休職した

私は職場の人間関係作りが上手くいかず、適応障害と診断されました。去年の夏から休職となったのですが、この適応障害という病気は本当に厄介なのです。

結局ストレッサー(原因)となるものに近づかなければ、傍目には元気に見える。だから、一番身近な人間―家族ですらも―「わがままだ」と決め付けられて、叱責を受けることがあるからです。

私も例にもれずそうでした。しかし病院に行っても、初診こそ丁寧に見てくださいますが、後は短時間での診察です。「カウンセリング」(面談療法)を行っています、と言っていた病院でしたが、私が満足するものではありませんでした。

カウンセリングを専門にしているところを探した

しかし病院の待合室で待っていると、次々と患者さんが入ってきます。それを見ていると、なぜ短時間診察になってしまうのか、わかるような気がしました。そして、お医者さんはお医者さんなりに精一杯の診療をしてくださっているのだから、私も、病院以外で治療ができる場所を探すべきだと考えるようになったのです。

カウンセリングを満足するまで受けたいのならば、それを専門にしているところを探そう。そう思って、私はインターネットの検索エンジンを使って、この熊本カウンセリングを探し当てました。

当時のホームページには、体験談も少なくブログの日記もありませんでした。しかし、私は熊本カウンセリングまでの地図を見て、「行ってみよう」と思ったのです。周囲の目印になる建物まで写真で掲載してあったので、「これなら行ける」と思ったのと、丁寧に案内のページを作っている人なら、丁寧に話を聞いてくれるに違いないと、考えたのです。

部屋に閉じこもり、寝てばかりいた

当時の私は、出かけるのは週1のカウンセリングと、月1の病院だけでした。かなり、暗い生活をしていたと思います。まして、当時は家族の理解もほとんど得られていなかったので、部屋に閉じこもり、寝てばかりいました。

「何かしたいな」と思うようになった

ただ、カウンセリングを重ねていくうちに、「何かしたいな」と思うようになってきました。それと同時に、適応障害となった職場に、異動を希望する交渉も開始するようになりました。その時も、先生は「まずは図書館に行きましょうか」とアドバイスをくださいました。また職場との交渉術もとても具体的に助言してくださり、助かりました。

現在、まだ私の休職は続いていますが、生活の方は毎日図書館とスポーツジムに通い、パソコンの勉強も始めています。また職場の交渉も直属の上司ではなく、さらにその上の上司との交渉を開始しています。転職も視野に入れて今後のことを考える余裕も出てきました。これも田中先生が根気強く手伝ってくださっているおかげだと思います。まだお付き合いが続くとは思いますが、今後もよろしくお願いします。

(30代女性 M.I.さん)

心理カウンセラーからコメント

職場の中でのさまざまな過酷な理由から、休職される方は多いです。熊本カウンセリングにも、お仕事を休職されたクライエント様がときどきお越しになります。

「仕事を休職してしまえば楽になる」とご本人も周囲の人も思っているかもしれません。
しかし、休職した人には特有の苦しみがあることを私は知っています。

家族や近所の人などの視線を気にする気持ち、仕事をしていないという事実によるアイデンティティの揺らぎ・・・、自分自身への評価がどんどん下がっていきます。そして、収入低下による生活不安、職場復帰できるかという不安・・・。

以上のような気持ちが毎日毎日、毎時間毎時間、頭の中をグルグルと回っているのです。それだけで心身は疲労困憊し、何もする気はおきなくなり、結局長時間家の中に引きこもった生活が続いてしまいます。

しかし、M.I.さんの素晴らしい点は、休職後4ヶ月目ぐらいから少しずつ行動を開始されたことです。今では、資格取得の学習のために図書館へ通い、午後はスポーツジムで汗を流しておられます。自宅外に活動拠点が複数出来上がってしまいましたね。また、あちらこちらの講座に出席されたりもしておられます。
もしも、このページをお読みのあなたが、現在お仕事を休職しておられるのであれば、このM.I.さんの姿を参考にしていただければと思います。

休職することはおかしいことでも、悪いことでもありません。
休職とは、新しい価値観、新しい生活スタイル、新しい人間関係を獲得して、生まれ変わるためのチャレンジ期間です。

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