
モノを投げつけられるぐらいの激しい夫婦喧嘩を毎週のようにしていたクライアント様の心理カウンセリング体験談を紹介します。離婚まで考えていましたが、3回の心理カウンセリングで怒りが治まり、夫婦喧嘩がなくなりました。夫婦喧嘩を繰り返してしまう原因は過去に交際した男性から浮気されたトラウマにありました。掲載の許可をいただいています。
夫婦喧嘩が多くてモノが壊れまくっていた

私は今年1月に結婚したのですが、結婚する前から夫婦喧嘩が多いことに悩んでいました。
喧嘩の原因は夫の過去の女性に関することです。
夫が過去にお付き合いしていた女性の写真やメールがスマホに残っていて、それを見つけました。押し入れから住民票も出てきました。
過去の女性の写真やメールを保存しているなんてデリカシーがない。
私は傷ついているのにその気持ちを分かってもらえない。
それで私はショックを受けて夫を問い詰めていました。
そうすると夫は「過去のことはどうでもいいのになんで今さら言ってくるのだ」と逆に怒られていました。
激しい喧嘩になって、夫は感情的になってテーブルを叩いたり、モノを投げつけてきました。
テレビのリモコンや掃除機が飛んできて私の体に当たったことがあります。
痛かったです。
買ったばかりの掃除機が壊れて、「なんでそんなことするんだろう」と思いました。
モノが壊れまくっていました。
そんな夫婦喧嘩を月に3回から4回していました。
険悪なムードになって離婚の話も出るぐらいでした。
親にも相談しました。
親は「モノを投げてくるような人とは離婚した方がいいかも」と言いました。
「あなたが言い過ぎるのもあるから許しなさい」とも言われていました。
夫婦喧嘩の原因は過去のトラウマ

そこまで激しい夫婦喧嘩をしてしまうのは、私にトラウマがあったからだと思います。
私は昔おつきあいした人から浮気されたことがあります。
遊び人に遊ばれたこともあります。
ちゃんとした男の人とつきあったことがありませんでした。
それで夫のことを「遊び人だったのかな」「昔つきあった男の人と同じなのかな」と思ってショックを感じて、責め立てていました。
夫のデリカシーの無さにいらついて、「この人と結婚してよかったのかな」「私の気持ちを分かってくれないなら、もう離婚しようかな」ということまで考えるようになっていました。
夫からカウンセリングに行ってほしいと言われた

ある日、夫から「こんなに喧嘩になるのはおまえが過去に囚われているからだ。カウンセリングに行ってほしい」と言われたのです。
それで「熊本 カウンセリング」とネットで検索して熊本カウンセリングを見つけました。場所も近かったのでこちらに来ました。
カウンセリングの中では、心理療法をしているときに昔のトラウマ場面をリアルに思い出して、忘れていた感情も思い出していたのが印象的でした。
夫の方もカウンセリングの内容に興味を持っているようでした。
カウンセリングで宿題が出ていたのですが、夫は「今日は宿題しましたか」「宿題は忘れずにちゃんとしてね」と言っていましたね。
夫婦喧嘩しなくなった。夫に変化も…

カウンセリングを受けて自分自身を俯瞰して見れるようになりました。
感情的に怒ることがなくなりました。
これまでは感情がコントロールできまずに思ったことをそのまま言っていました。
それを言ったら喧嘩になるなと今は分かるのですが、そのときは分からずにひたすら言っていたのです。
それが今は怒りそうになっても、「これを言ったらこうなるな」という未来まで想像して怒らなくなりました。
その結果、夫婦喧嘩しなくなりました。
月に0回です。
夫からは「落ち着いてきたね」と1回言われました。
母親からも「穏やかになったよね」と言われました。
夫婦喧嘩がなくなったお蔭で、モノが壊れなくなったのがいいですね。
また、夫婦喧嘩をするとエネルギーを使うので疲れていたのですが、そんな疲れがなくなりました。
夫も夫婦喧嘩がストレスだったようですが、それがなくなったようです。
夫の態度に変化がありました。
以前だったら怒って言ってくるような場面で、「どうしたの?」と穏やかに言ってくるようになりました。
今は離婚はしなくてよかったと思います。
夫婦喧嘩をしてしまう人にアドバイス
夫婦喧嘩をしてしまう人は心がいっぱいいっぱいで、夫婦喧嘩をしたくなくてもしてしまうと思います。
カウンセリングに行って話を聴いてもらって、トラウマを解消していくことで喧嘩がなくなるので、カウンセリングに行くのがお勧めです。
自分で治そうとするのも限界があるので。
(30代女性 T.Mさん)
心理カウンセラーからコメント

今回の夫婦喧嘩の背景には、「夫の過去の女性に関する物証」がきっかけとなっていますが、根底にはご本人の過去の恋愛で受けた裏切りや失望体験(トラウマ)が強く影響していました。 過去に受けた傷が未解消のままだと、人は無意識のうちに「今目の前にいる相手」へとその痛みを投影してしまうことがあります。
つまり、夫そのものへの怒りというより、「過去の傷ついた記憶がよみがえって」夫を通して再体験してしまったのです。
このような場合、どれだけ夫が「気にするな」と言っても、理性では理解できても感情がついてこないため、衝突が繰り返されやすくなります。
カウンセリングでは、過去のトラウマを解消する心理療法をしました。
その結果、「怒りそうになっても未来の結果を想像できるようになった」と話されているように、感情に飲み込まれずに「今ここ」で冷静に自分自身を俯瞰できるようになられましたね。
このような感情コントロール能力の向上は、夫婦関係に限らず人間関係全般で極めて重要な力です。
興味深いのは、ご本人が落ち着きを取り戻したことで、夫の態度も穏やかになってきたという点です。
人は無意識に、相手の感情状態を鏡のように映して反応します(専門的には「情動伝染」といいます)。
以前は互いの怒りがぶつかり合っていたため、衝突がエスカレートして物が壊れるまでに至っていましたが、今はご本人が冷静に対応できるようになったため、夫も防御的・攻撃的にならずに済んでいます。
つまり、自分が変わることで相手が変わるという、夫婦関係における最も本質的な原理が実証されたといえます。
今回の体験談は、「相手を変えようとするより、まず自分の心を整えることが近道である」ということを実証しています。
夫婦は「二人で一つのシステム」のような存在です。どちらか一方が変われば、必ずもう一方にも変化が起きます。
T.Mさんが勇気を出して過去の痛みと向き合い、感情を整えたことで、ご主人も安心して穏やかな言動が取れるようになったのです。これは本当に価値のある素晴らしい成果です。
どうかこの歩みを誇りに思ってください。そして、これからも夫婦として共に歩む毎日に、小さな喜びや安心がたくさん積み重なっていくことを心から願っています。
この記事を書いた人
- 公認心理師。2007年に心理カウンセラー・心理セラピストとして独立し、熊本市に「熊本カウンセリング」を開設しました。以来17年以上にわたり、心理カウンセリングの実践に携わり、これまでに7,000件を超える相談実績を積み重ねてきました。2019年には拠点を熊本県八代郡氷川町に移し、地域に根ざした活動を展開しています。
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