パニック障害の原因は過去の体験にあった

パニック障害で息苦しさに悩んでいたクライエント様のカウンセリング体験談を紹介します。
心理セラピーを受けられた結果、息苦しさはほとんど解消されました。
掲載の許可をいただいています。

パニック障害で、とにかく息が吸えない

息が苦しくなっている女性

5年前からパニック障害になり、薬を飲んで治療していましたが完治には至っていませんでした。
そしてここしばらく息が苦しくなることが続いていました。

息が苦しくなるのは、家に帰ったときと仕事のことを考えているときが多いです。

一度息が苦しくなると、とにかく息が吸えないのです。空気が入ってこないのです。吐くのは吐けるのですが。横になっても苦しいし、寝ることは出来ません。

それが4日間ぐらい毎晩続いたことがあります。
1日ずっと続いたこともあります。仕事をしながらずっと苦しいのです。そういうこともありました。

「息苦しい」という気持ちがスーッと消えた

カウンセリングを受ける女性

そこで、薬を飲んではいましたが、「自分を変えないといけない」と思ったのです。それでカウンセリングを受けたらいいのではないかと考えて、熊本カウンセリングをネットで見つけてすがるような気持ちで申込しました。薬から離れたかったのもあります。

田中先生を初めて会ったときは「いいお兄さんだな」と思いました。

合計6回のセッションを受けたのですが、「息苦しい」という気持ちがスーッと消えたときがありました。そのときのことが一番印象的です。

パニック障害は熊本カウンセリングに来てから出ていません。

以前は息苦しさが1ヶ月に20日間ぐらい起きていましたが、今は1~2回です。

またその息苦しさも次第に軽くなってきて、今は1日続くことはなく、1時間ぐらいで済むようになりました。
苦しさの程度も以前を10とすると、今は1ぐらいです。もう辛いわけではありません。我慢できる程度になりました。

過去にいじめられたことがあった

過去のことを考えこんでいる女性

ところで、熊本カウンセリングに来る前までは過去のことをずーっと考えていたように思います。
嫌なことばかり考えていました。あんなことがあった、こんなことがあった、だから私はこうなんだ、というようにです。

過去の出来事が原因で今の自分がある、今の自分は腐っているというように思っていました。

過去にいじめられたことがあり、「他人は信用できない」と思っていました。
しかし心理セラピーを受けた結果、今では「少しは信じてみてもいいかな」「少し話してみようかな」と思えるようになりました。

過去を思い出すと暗い感じがしていたのですが、今は明るくて楽しい感じがします。
いじめられ体験についても「そんなこともあったな」と重くは感じないです。

今は過去のことを考えることがほぼありません。ラクになりました。

今は同僚とどう関わればいいか等を考えるようになりました。とにかく現在とちょっとした未来のことを考えるようになりました。

不思議なことに夫が愛してくれるようになった

仲良く会話をする夫婦

それと不思議なことに、夫と以前ほど喧嘩しなくなりました。
ちょっと愛してくれるようになりました。以前よりも3~4割ぐらいアップした感じがします。

それは私が明るくなったからかもしれません。
これまでは夫に仕事のことや過去の出来事の愚痴をぐじぐじ言っていたのです。しかしそれを言わなくなったのです。

それと夫の話を聴くようになりました。聴けるようになったのです。以前は聴いても聴いていない感じでした。自分のことで精一杯でしたから。

実はセックスレスだったのです。
それが夫が頑張ってくれるようになりました。子どもも初めて授かるかもしれません。

パニック障害に苦しんでいる人にアドバイス

私と同じようにパニック障害で苦しんでいる人には、熊本カウンセリングに行って欲しいです。
それと自分だけで考えないで、周りの人に相談して欲しいです。

パニック障害もけっして悪いものではないと思います。それがあるからこそ学べるものがあるはずだからです。そのおかげで出会える人もいるからです。
だからきちんと向き合って欲しい、治療に取り組んで欲しいと思います。それを通して、人それぞれですが、考え方とか人間関係の改善につなげて欲しいです。

(30代女性 E.H.さん)

心理カウンセラーからコメント

心理カウンセラー

まず印象的なのは、「とにかく息が吸えない」という言葉に込められた切実な苦しみです。パニック障害では、身体的な症状が非常に強く出ることがありますが、呼吸の苦しさは特に恐怖感を増幅させる要因のひとつです。「息ができない=生きられない」という原始的な恐怖が、理屈を超えて心身を支配してしまうのです。そのような状態が続く中で、薬物療法だけでは十分に改善しなかったというのもよく理解できます。身体症状の背景には、心の奥にある「不安」「恐怖」「過去の傷つき」が結びついていることが多いからです。

E.H.さんが「自分を変えないといけない」と思われた瞬間は、まさに回復への転機でした。カウンセリングを受けようと決意された勇気は、長く苦しんでこられた方にとって大きな一歩です。人は、どんなに症状が重くても、「自分の力で変わりたい」という思いが芽生えたときに、心の回復が始まります。

セッションの中で、「息苦しいという気持ちがスーッと消えた」という体験をされたことは、心理療法によって心身の緊張が緩み、無意識下の恐怖が手放されたことを意味しています。呼吸は心の状態を映す鏡です。過去の恐怖やストレスが解放されると、自然と呼吸が深く穏やかになり、身体も心も落ち着いていきます。

また、E.H.さんの言葉からは、「過去への執着」から「今と未来への意識」へと焦点が移っていく様子がうかがえます。過去のいじめ体験は、長い間心の中に「他人は信用できない」という信念を作り出し、人間関係の不安を強めていたのでしょう。しかし心理セラピーによって、「そんなこともあったな」と過去を軽やかに受け止められるようになったことは、トラウマの癒しが進んだ証拠です。人は過去を消すことはできませんが、その出来事に込められた「痛みの意味」を変えることはできます。E.H.さんは、その変化を実感されたのだと思います。

さらに興味深いのは、心理的な変化が家庭の人間関係にも良い影響をもたらしている点です。心の余裕が生まれると、人は相手の話を「聴ける」ようになります。相手を受け入れる姿勢が自然と伝わり、夫婦関係が温かくなっていくのです。ご主人が「少し愛してくれるようになった」と感じられたのも、E.H.さんご自身が内面から変わり、笑顔や柔らかさを取り戻されたからでしょう。心理的な癒しは、まわりの人の心も動かす力を持っています。

最後にE.H.さんの「パニック障害もけっして悪いものではない」という言葉には、深い気づきと強さが感じられます。病や苦しみを「敵」として排除するのではなく、「自分を成長させる機会」として受け止められるようになったとき、人は本当の意味で自由になります。パニック障害という経験が、E.H.さんにとって「心を見つめ直す扉」になったのだと思います。

E.H.さんの回復の過程は、同じように苦しんでいる方々にとって大きな希望の光です。「もう変われない」と思い込んでいる方にも、「心はいつからでも変われる」ということを教えてくれます。これからも、穏やかな呼吸と共に、より豊かな人生を歩まれることを心から願っています。

この記事を書いた人

心理カウンセラー 田中耕一郎
公認心理師。2007年に心理カウンセラー・心理セラピストとして独立し、熊本市に「熊本カウンセリング」を開設しました。以来17年以上にわたり、心理カウンセリングの実践に携わり、これまでに7,000件を超える相談実績を積み重ねてきました。2019年には拠点を熊本県八代郡氷川町に移し、地域に根ざした活動を展開しています。

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