トンネル恐怖症を克服できた!

トンネル恐怖症(閉所恐怖症の一種)のクライアント様の心理カウンセリング体験談を紹介します。車に乗っていてトンネルを通るときに不安を感じて動悸がしていました。
3回のカウンセリングの結果、不安と動悸は完全に解消されました。お風呂にも扉を閉めて入ることができるようになりました。

トンネルを通るときに息苦しさを感じていた

トンネルの中で息苦しさを感じた女の子

私はトンネルを通るときに息苦しさを感じて心臓がドキドキしていました。
それが嫌だなと思っていました。

部活動の試合に行くときに、串木野市のトンネルや高速道路のトンネルをよく通っていたのですが、そのときに息苦しさを感じていました。

トンネルを通りたくないので、車を運転する親に「高速ではなくて下道(一般道)で行こうよ」と言っていました。実際に下道で時間をかけて行ったこともあります。

また、全校集会で体育館に座っているときや、放課後の教室でも急に不安になってドキドキすることがありました。

私は高校3年生で大学受験が近づいていたし、ずっとこのままでは疲れるからなんとかしなくてはと考えて、熊本カウンセリングに来ました。

トンネル恐怖は改善できるよ

トンネルの中で笑顔をみせる女の子

3回のカウンセリングを受けて、今ではトンネルを通っても息苦しさを感じないし、心臓がドキドキすることもなくなりました。
不安な感情もなくなってよかったなと思います。

熊本カウンセリングに来る前は、トンネルを通るときの不安は10点満点で8点ぐらいありました。
今ではほぼ0点になりました。

不安が0点になったので、出かけるのが苦にならなくなりました。
以前は出かける前に「ドキドキしたら嫌だな」と不安を感じていました。

トンネル恐怖で苦しんでいる人には、「トンネル恐怖は改善できるよ」「自分でなんとかするより、専門家に頼るしかないよ」と言ってあげたいです。

(18歳 女性 N.Hさん)

N.Hさんのお母様のご感想

※N.Hさんのお母様にもご感想をインタビューさせていただきましたのでご紹介します。

娘は夫の車(ハイエース)に乗るときには以前は助手席に座っていたのですが、高校生になった頃から一番後ろの席に座るようになったのです。

ハイエースはワンボックスカーですから視点が高くなるし、ボンネットがないのでフロントガラスのすぐ先は道路という感じもして、恐怖心を感じるようになったようです。
その頃から「ドキドキする」と言い出して、いろんな病院に連れて行きました。

病院では思春期外来などに行きました。
「我慢できるなら大丈夫でしょう。薬は出しません」という診断がでましたが、息苦しさや恐怖心は解消できませんでした。

それで、病院でないならカウンセリングかなと考えて、ググってググって、ようやく熊本カウンセリングにたどり着きました。

娘を遠くから連れてきた甲斐がありました

熊本カウンセリングでは、娘が心理セラピーを受けているのを横で見ていて、正直なところ「これで本当に治っていくのかな?」と不思議な気持ちでした。

カウンセリングの帰り道にトンネルを通るのですが、2回目のカウンセリングまでは娘はまだ不安げな感じでした。

それが今日ここに来る途中でトンネルを通ったときはまったく不安はなさそうで、ずっと私と会話をしていました。明るい感じでした。
ここに来たときも娘の声のトーンが全然違うなと思いましたね。

「よかったな、こんなに違うんだな」と思いました。
遠くから連れてきた甲斐がありました。

お風呂にも扉を閉めて入れるようになった

実は娘はお風呂に入るのを不安がっていました。
風呂場の扉を閉めると閉所恐怖が出て不安になるようでした。

それで、お風呂に入るときには、扉を開けて入っていました。
湯気が風呂場から出ていました。
ですから、毎日、父親が仕事から帰ってくる前にお風呂に入っていました。

それが最近なくなりました。
一人で扉をしめてお風呂に入れるようになりました。
それが何よりだなと思っています。

私自身はトンネル恐怖の経験はなかったので、「そんなのすぐ治るよ」「大丈夫よ」という感覚でいました。
ですが、子供は辛い思いをしているので、親としては子供と相性の良い先生を探してあげられてよかったなと思います。

心理カウンセラーからコメント

心理カウンセラー

トンネルを通るときの息苦しさや心臓のドキドキは、本人にしか分からない切実な恐怖体験です。それを「気のせい」「我慢すればいい」と周囲から言われても、決して軽く済むものではありません。

恐怖症は「心が弱いから起こる」のではなく、脳や身体の自然な反応によって引き起こされます。特にトンネルのような「逃げ場がない」「閉じ込められる」と感じやすい状況では、自律神経が過敏に反応し、息苦しさや動悸といった症状が出やすいのです。これは一種の誤作動のようなもので、本人の意思や努力だけでコントロールするのは難しいものです。

N.Hさんが「高速ではなく下道で行こう」と親御さんにお願いしていたように、恐怖回避の行動は一時的には安心感をもたらします。しかし回避を繰り返すと「やっぱり私はトンネルが怖いんだ」という思い込みが強まり、不安はむしろ固定化されやすくなります。

そこで、心理カウンセリングでは「安心できる環境で不安を感じる仕組みを整え直す」ことに取り組みます。N.Hさんの場合、そのプロセスがスムーズに進んだことが、短期間での改善につながったのだと思います。

また、興味深いのは「体育館の全校集会」や「放課後の教室」でも同じように不安を感じていた点です。これは「逃げられない状況」に共通する体験で、トンネル恐怖とつながっていた可能性が高いと考えられます。お風呂の扉を閉められるようになったことも、まさに「閉じ込められる恐怖」に打ち勝った証拠であり、恐怖症が全般的に改善していることを示しています。

お母様の視点もとても大切です。病院で「我慢できるなら大丈夫」と言われたときの親御さんの戸惑いや、「本当に治るのだろうか」という半信半疑の思いは、多くのご家族が経験されるものです。しかし実際にお嬢さんの表情や声のトーンが変化し、帰りのトンネルを笑顔で通過できるようになった姿を見て、「遠くから連れてきた甲斐があった」と実感されたのは、親として大きな安心だったことでしょう。

最後に、同じように恐怖症で悩んでいる方へ。N.Hさんの言葉にあるように、「トンネル恐怖は改善できる」「自分でなんとかするより、専門家に頼った方がいい」というメッセージは非常に大切です。恐怖症は必ず乗り越えることができますし、人生の自由や安心を取り戻すことができます。今回の体験談はその生きた証であり、多くの方に勇気を与えるものになるでしょう。

N.Hさん、本当にお疲れさまでした。そして改善された日常を楽しんでくださいね。

この記事を書いた人

心理カウンセラー 田中耕一郎
公認心理師。2007年に心理カウンセラー・心理セラピストとして独立し、熊本市に「熊本カウンセリング」を開設しました。以来17年以上にわたり、心理カウンセリングの実践に携わり、これまでに7,000件を超える相談実績を積み重ねてきました。2019年には拠点を熊本県八代郡氷川町に移し、地域に根ざした活動を展開しています。

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