夫に嫌悪感を感じる妻

夫と一緒に家の中にいることすら嫌な気持ちでいっぱいだったクライアント様の心理カウンセリング体験談を紹介します。6回のカウンセリングで夫に対する気持ちに大きな変化がありました。掲載の許可をいただいています。

夫との生活を今のまま続けていくことに自信がなかった

リビングでテレビを観ている女性

私がカウンセリングを受けてみたいと思った理由は、おおまかに・・・

●なにかしらうつうつとして気が晴れなかった
●夫との生活を今のまま続けていくことに自信がなかった
●子どもたちが独立したことで、なにをしたらいいのかわからなかった

以上のようなことでした。

書いてしまえば取るに足らないことですが、私はじわじわとその感覚に蝕まれ、起きているのも億劫で、もちろん、出かける気力もなくて、楽しいことなんて何もなくて、ただ時間だけが過ぎていくというふうでした。

ネットの検索で「熊本カウンセリング」を見つけたのですが、初めはHPを眺めるだけで、毎日が過ぎていきました。そのうち、くまもとハートカレッジという月1の学習会のようなものを始められたのを知りました。
平日の昼夜2回の設定で、参加費も1000円で私でも行けそうな気がしました。
それでも、しばらくブログを眺めるだけで終わっていました。

それが、ある月に「よし、行ってみよう」という気になり、いよいよその前日に会への参加申し込みボタンをクリックしました。書くのは、名前とメールアドレスだけで、とても簡単に申し込みできたので、そのこともハードルを低くしてくれたようです。

行ってみると、参加者は3名でした。田中さんが「今回は少なくて・・・」と言われたので、「少なくて良かったです」と答えたのを覚えています。
本当にそうだったのです。あのときの私はあの場所に行くのがやっとで、もっと違った様子だったら、途中で帰りたくなっていたかもしれません。

私は田中さんをこの目で見たこと、田中さんと他の方たちが会話される様子を目の当たりにしたことで、この人のカウンセリングを受けてみようと決めました。
翌日にネットで申し込んで、最初の日時が決まりました。
そうそう、初回に対面して話して、そのあとに、正式にカウンセリングを受けるかどうか決めたのでした。その機会があったのも良かったと思います。

周囲からの「変わったね~」という言葉

友人と会話する女性

さて、カウンセリングを終えての私ですが、私自身、気持ちが楽になったなという実感はあるのですが、それよりも周囲からの「変わったね~」という言葉に、そうなのか!と気づかされる日々です。

実は、カウンセリングも終わりになろうかという頃、たまたま友人と話していて、
「えっ、えっ、どうしたの?今のセリフ、間違いじゃないの?」
と、本当に驚きの声を上げられました。

どういうことだったかというと、「夫の転勤が決まったらいっしょに行く」
という私の言葉が信じられないというのです。おまけに「楽しいと思うよ」という言葉まで出ていたので。
私も自分がそのことを口にするまで、そういうふうに気持ちが変化していることに、まったく気づいていませんでした。

それまでの私だったら、「もちろん一人で行ってもらう」だったはずです。
夫が会社から帰ってくる時間が嫌で、いっしょに家の中にいることさえ苦痛でした。
それにはそうなる理由があったのですが、今は、その時の感情を思い出そうとしてもあまりはっきりしなくて、うまく言葉にできません。

つい最近も、久しぶりに会った友人から、
「変わったね~。縛りがなくなったみたいね。あなたの中の・・・」
と言われることがありました。
そして、
「あなたが変わるとは思っていなかった」
とも言われました

私には自分自身に変わる力があった

笑顔の女性

そんな私ですが、田中さんに相当、感謝しているかと言われれば、そうでもないのです(笑)
なぜかというと、今、私には自分自身に変わる力があったからだと思えているからです。

2回目、3回目とカウンセリングの回を追うごとに、「あれ、私、やればできるみたい」という気持ちが、どんどん大きくなっていきました。
田中さんには申し訳ないのですが、本当に、できているのは「自分の力」だと思えたのです。
田中さんから1回目の宿題が出されて、いやだな~と思っていた私が、それをクリアできたことで、大きな自信になったのでしょう。

その宿題の内容はここには書きたくありません。えっ、そんなこと?と思われてあたりまえのことだからです。
でも、あのときの私には、それはえいやっとやらなければならないものでした。

では、もしそれができなかったら、私は変われなかったのか・・・。
そうではありません。その後、他の宿題が出されたりしてできなかったこともあったのです。最初は、田中さんに怒られるかな、「どうしてこんなことができないの」と言われるかなと心配もありました。
が、まったくそういうことはなく、あとは自然に「できませんでした」と言えたことも、私にとってはとてもいい経験だったと思います。それは、今、思うことです。

カウンセリングが終了して、友人に「元気になれた。良かった~。でも、カウンセリングのおかげでなくて、私自身の力のような気がするのよね」と言ったとき、初めて、そうか、私は自分に自信がなくなっていたんだ、だから毎日を楽しめなかったんだと気づきました。
そして、そうか、私が自分の力に気づけたということが、カウンセリングがうまくいったということなんだと、田中さんへの感謝の気持ちがちょっとだけ(笑)わいてきました。

友人に言わせると、「そのカウンセリングは大成功じゃない?本人がカウンセリングに依存しないで、自分の力を自覚できたんだから!」ということでした。

うん、うれしい。今は、ただうれしい。
本当は、私の中にどんな葛藤があったのか、どんな苦しみがあったのか、もっと詳しく書くべきかもしれない。でも、今はそれよりも、今の自分がいることへの喜びが大きくて、そのことを書く時間がもったいない。

今は前に進みたい。
そう今思えていることが、とても幸せなことだと思います。
田中さんに感謝して・・・。

(50代女性 A.H.さん)

心理カウンセラーからコメント

心理カウンセラー

この体験談では、A.H.さんが「じわじわと気持ちに蝕まれ、何も楽しめない日々」を過ごしておられたことが描かれていました。その背景には、夫婦関係だけでなく、子どもの独立による空虚感や、自分の存在価値への揺らぎなどがあったのだと思います。

人は人生の節目に「これから自分はどう生きていけばいいのか」という問いに直面します。特に夫婦関係が冷え込んでいると、その問いは孤独や閉塞感をいっそう深めてしまうのです。

A.H.さんは6回のカウンセリングを通じて、「夫の転勤に一緒に行く」「楽しいと思うよ」と、以前なら想像もできなかった言葉が自然と出てきたことは、ご自身の心の奥にあった柔らかさや愛情が再び表面に現れてきた証拠です。

これは、夫婦関係を改善するうえでとても大切なポイントです。夫婦関係の再生は「相手を変えること」ではなく「自分自身の感情や視点が少しずつ変化すること」から始まります。そのプロセスを、ご自身の力で歩み出せたことは大きな成果だと言えます。

特に印象的なのは、「田中さんに感謝しているかと言われれば、そうでもない(笑)」と率直に語られていた点です。これは、カウンセリングに依存せず「自分に変わる力があった」と実感できた証拠であり、とても健全な心理的自立の表れです。

カウンセリングの目的は、依存を生むことではなく、自分自身の力に気づいてもらうことにあります。宿題を通じて「やればできる」という自信を取り戻せたことも、そのプロセスを象徴しています。できたこともできなかったことも、すべてが自己理解と自信につながっていったのですね。

A.H.さんが「今は前に進みたい」と言葉にされていることに、深い感動を覚えます。夫婦関係をめぐる悩みはときに長く続き、抜け出せないように感じるものです。ですが、今回のように「自分の力を取り戻す」ことによって、未来を見据える力が自然に湧いてきます。その変化を体験されたことは、ご自身の人生を新しい視点で歩む大きなスタート地点となるでしょう。

夫婦関係の改善は「魔法のように一瞬で変わること」ではありません。けれども、自分自身を見つめ直し、少しずつ行動に変えていくことで、確実に関係性は変化していきます。A.H.さんの体験は、多くの方にとって希望の光となるものだと思います。これからの人生が、より穏やかで、夫婦としての新しい形を楽しめる日々になることを心から願っています。

この記事を書いた人

心理カウンセラー 田中耕一郎
公認心理師。2007年に心理カウンセラー・心理セラピストとして独立し、熊本市に「熊本カウンセリング」を開設しました。以来17年以上にわたり、心理カウンセリングの実践に携わり、これまでに7,000件を超える相談実績を積み重ねてきました。2019年には拠点を熊本県八代郡氷川町に移し、地域に根ざした活動を展開しています。

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