仕事が多すぎて休職したけれど

仕事量が多すぎて心身の調子を崩して休職されたクライアント様の心理カウンセリング体験談です。6回の心理カウンセリングと心理療法でうつ状態を解消されました。掲載の許可を得ています。

仕事量が多すぎて心が折れた

PCで仕事をしている男性

仕事が大量にあって、捌ききれない状況が続いていました。
その頃、上司からきついことを言われて、心が折れた気がします。

心療内科に行くとうつ状態と診断されました。
それで休職に入りました。

熊本カウンセリングには会社の人の紹介で申込しました。
その頃は頭がぐちゃぐちゃしていて悲しい気持ちがずっと続いていました。

過去の失敗が気にならなくなった

カウンセリングを受ける男性

実は熊本カウンセリングに初めて来たときは「どんなところなのか?」と怪しむ気持ちが少しありましたが、1回目のセッションが終わったときには「いいんじゃないか。ちゃんとカウンセリングをやってくれるところじゃないかな」と思いました。

私には学生時代や会社に入ってから失敗したことがいくつかあります。
それを思い出すととても心が痛い気持ちがしていたのですが、6回のセッションを受けて、それらを思い出しても心が痛くならなくなりました。それがとても印象的です。

心療内科に行ってうつ状態と診断されていたのですが、気分がそこまでひどく落ち込まなくなりました。思考力も回復してきた感じがします。

休職してから、ほぼ毎日約1時間ウォーキングをしています。
任天堂SwitchのFit Boxing(フィットボクシング)もしていました。

仕事量が多すぎて休職を考えている人にアドバイス

今、休職する前を振り返ると、「仕事の負荷を減らす工夫をしておけばよかったな」と思います。仕事の優先順位を立てて計画を立てればよかったと思います。

当時は1週間で仕上げないといけない仕事を5つぐらい抱えていました。
どうしようもない状態でした。

今なら仕事を無理やり減らすと思います。
絶対しないといけないものはしますが、それ以外は期限を延ばすとかすると思います。

私と同じように仕事量が多すぎて休職を考えている人には、「あなたがいなくても会社はなんとかなる」と言ってあげたいです。
これは私が休職するときに会社の先輩から言われことで、言われたときはショックだったのですが事実だと思います。

そしてできる限り楽するやり方を考えた方がよいです。
ズルをしてもよいし(笑)、他の人に仕事を振ってもよいです。
とにかく仕事を減らさないといけません。
そうしないと自分が壊れてしまいますよ。

(30代 会社員 M.Tさん)

心理カウンセラーからコメント

心理カウンセラー

M.Tさんの体験談を拝見して、まず強く感じたのは「これほど大きな負荷の中、本当によくここまで頑張ってこられた」ということです。仕事量が多すぎる状況が続けば、誰でも心身のバランスを崩します。過負荷が限界を超えて心が折れたと感じられたこと、そしてうつ状態と診断されて休職されたことは、決して弱さではなく、人間として当然起こりうる自然な反応です。ご自身に問題があったのではなく、「その環境では誰でも同じように苦しくなる」ということを改めてお伝えしたいと思います。

休職当初は「頭がぐちゃぐちゃして悲しい気持ちがずっと続いていた」とのこと。うつ状態のときは思考がまとまらず、気分の落ち込みも長く続くため、日常の小さな判断さえ難しく感じられます。そんな中でカウンセリングに足を運ばれたこと自体が、とても大きな一歩でした。初回に不安や警戒心があるのは当然です。でも、セッションを重ねる中で「安心して話して大丈夫」という感覚を得られたことは、心理的回復の大切な基盤になっています。

特に印象的なのは「過去の失敗を思い出しても心が痛くなくなった」という変化です。これは単に気分が回復しただけではなく、カウンセリングを通して「過去をどう捉えるか」という心の構造が変わってきた証拠です。失敗体験には、当時の感情や思考の癖、そして自己評価が深く絡んでいます。心理療法でその部分が丁寧にほぐれると、「出来事」という事実はそのままでも、心が反応しなくなります。これは心理療法がもっとも力を発揮する場面のひとつであり、M.Tさんが大きな変化を実感されたことには、本当に意味があると思います。

また、日々のウォーキングやFit Boxingの習慣も良い影響を与えていました。身体を動かすことは脳内のセロトニンを活性化し、睡眠や気分の安定につながります。うつ状態の回復には適度な運動が欠かせません。休職中に「できる範囲で、できること」を続けてこられたことが、心と身体の両方の回復を支えたのだと思います。

仕事について振り返る中で「当時もっと負荷を減らす工夫ができていれば」という気づきが生まれたことも、とても大切な回復のサインです。うつ状態がひどい時期は、優先順位をつける力や計画性、判断力そのものが働きにくくなります。「抱え込みすぎてしまう」「"やらなければ"が強すぎる」ことは、真面目で責任感の強い人ほど起こりやすいパターンです。今のM.Tさんが「無理やり仕事を減らす」「期限を延ばす」「他の人に振る」という選択肢に気づけていることは、再発予防として非常に重要な視点です。

さらに「あなたがいなくても会社はなんとかなる」という先輩の言葉が、当初はショックでも後から重要な意味として受け取れたというエピソードも、多くの方に響くと思います。仕事の責任感が強い人ほど「自分がやらなければ」と抱え込み、気づかぬうちに限界を超えてしまいます。でも、仕事は組織で回すものであり、一人がすべてを背負う必要はありません。むしろ、自分を守ることが結果的に長く働き続けるための最善の方法になります。

最後に、M.Tさんが「ズルしてもいい」「他の人に仕事を振ってもいい」「とにかく減らさないと壊れる」と語ってくださった部分は、まさに本質を突いています。頑張りすぎてしまう人ほど休職に向かう傾向があります。だからこそ「手を抜く」「力を抜く」「助けを借りる」ことは、弱さではなく「健康を守るための戦略」なのです。

この体験談は、同じように仕事量に押しつぶされそうになっている方の大きな助けになると思います。

この記事を書いた人

心理カウンセラー 田中耕一郎
公認心理師。2007年に心理カウンセラー・心理セラピストとして独立し、熊本市に「熊本カウンセリング」を開設しました。以来17年以上にわたり、心理カウンセリングの実践に携わり、これまでに7,000件を超える相談実績を積み重ねてきました。2019年には拠点を熊本県八代郡氷川町に移し、地域に根ざした活動を展開しています。

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