
あがり症で苦しんでいたY.Nさんの心理カウンセリング体験談を紹介します。Y.Nさんは会議で発表するときや講師として話す場面になると、あがり症で声が震えたり、声が出なくなって苦しんでいました。6回の心理療法をうけることで、あがり症はほとんど解消されました。会議などの場面でも声が出るようになりました。
人前で話すときに、声が震えたり、出なくなっていた

私は3、4年前から、人前で話すと緊張して喉がグッと締まって声が震えたり、出なくなったり、胸が苦しくなって死ぬんじゃないかと思うくらいきつくなっていました。
本当に声が出ませんでした。
胸がバクバクして明らかに心拍数が上がっていました。それが全身に広がるような感覚がありました。
仕事の中で、会議などで発表しないといけない場面があり、そのときそうなっていました。
そういうことが続いて、最初は心療内科を受診することを考えました。近くの心療内科を調べたりもしていましたが、なんとなくハードルが高い感じがしました。
それでカウンセリングを受けることにして、ネットで検索して熊本カウンセリングを見つけて申込しました。
あるときは、発表の途中で声が出なくなり、喉がカラカラになって、聴衆の皆さんに私の声が全く聞こえていないときもありました。
そのときは「喉がどうかしましたか?」と尋ねられて、泣きたくて「穴があったら入りたい」気持ちになりました。
楽に話せるようになった

カウンセリングの中で、あがり症のトラウマを解消する心理療法をしましたが、それをしていると嫌な思い出が消えていく感じがしたのが印象的でよく覚えています。
6回のカウンセリングが終わって、会議などで人前で話すときに、緊張はまだ0になったわけではありませんが、息がしやすくなった感じがします。
喉の締まる感じはなくなり、心臓もそれほどドキドキしすぎず、以前より楽に話せるようになりました。声が出ないということはなくなりました。
人前で話すときの苦しさを10点満点で表現するなら、熊本カウンセリングに来る前は9点ありました。
現在は会議の場面なら2点、講師として長く話すときは3~4点にまで下がっています。
悩んでいた時間がもったいなかった

あがり症のことでこれまでずっと悩んできました。「発表の場面がもうすぐくる。嫌だな、嫌だな」と繰り返し思っていました。その悩む時間がもったいなかったなと思います。その時間をもっと楽しいことに使えたらよかったです。
今後はその悩んでいた時間がなくなりそうでうれしいです。
あがり症で悩んでいる人にアドバイス

自分一人の力で解決できることは限られていると思います。
例えば、自分でネット検索して何かの方法を見つけて、それを実行したとしても、それが効いているかどうかは自分では分からないです。
だから誰かに助けてもらったほうがよいと思います。
プロの指導を受けたほうがよいです。
(Y.Nさん 40代女性)
心理カウンセラーからコメント

Y.N様、カウンセリングの体験談をお話しいただきありがとうございます。Y.N様の体験談からは、苦しかった日々とそこからの回復のプロセスが、非常にリアルに伝わってきます。
まず、あがり症――つまり「対人場面での強い緊張」や「発表時の極度の不安」は、単なる性格の問題ではありません。多くの場合、それは過去の体験による条件反射のようなものであり、脳と身体がある特定の状況に対して「危険」だと誤認し、自動的に過剰な防衛反応を起こしている状態です。
Y.N様のように、「喉が締まる」「声が出ない」「胸が苦しい」「心拍数が上がる」といった症状は、まさに交感神経系の強い活性化によるもので、自律神経がストレス反応に切り替わった結果といえます。
このようなあがり症には、安心感を脳と身体に再学習させていくアプローチが有効です。今回のケースで特に注目すべきなのは、「嫌な思い出が消えていく感じがした」という感想です。これは、トラウマや過去の記憶にアプローチする心理療法をしたためです。
記憶はただ思い出すだけでなく、そのときの感情や身体反応も一緒に再現されるため、それに対して心理的な処理や再構成を加えることが、「緊張→苦痛」という自動反応の連鎖を断ち切ることにつながるのです。
また、6回のセッションを通して「喉の締まりがなくなった」「心臓のドキドキが和らいだ」「息がしやすくなった」と身体感覚の変化が報告されている点は、非常に重要です。これは単なる「気の持ちよう」ではなく、身体が安心を感じる神経回路に切り替わってきたという証拠です。
心理療法においては「言葉での気づき」だけでなく、「身体での実感の変化」が回復の大きな指標になります。この方は、まさにそのプロセスを経て「話すときの苦しさ」が10点から2~4点にまで低下するという、劇的な改善を体感されています。
さらに、この体験談の最後にあった「悩む時間がもったいなかった」「プロの指導を受けることの大切さ」――これも非常に本質的なメッセージです。多くの方が、「こんなことで人に相談してもいいのか」と遠慮されたり、「自分でなんとかしよう」と頑張り続けてしまいます。しかし、脳と身体が深く関わるあがり症のような問題は、専門的な介入があってこそ、安全に、そして確実に変化していけるのです。
心理カウンセリングや心理療法は、「話を聞いてもらう」だけでなく、「再び自分らしさを取り戻すための訓練の場」であり、ひとつの勇気ある選択です。そして、それを選ばれたY.N様の変化は、今後同じような悩みを持つ方々への希望となるでしょう。
あがり症は、決して「一生ものの苦しみ」ではありません。脳の反応パターンは変えられますし、身体は安心を学び直すことができます。そして、そのためには、専門家のガイドのもとで「自分に合った方法」で取り組むことが最も効果的です。
Y.N様のように、「自分ひとりで頑張る」のではなく、「誰かの力を借りる」ことが、克服への第一歩となります。
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